初恋イチゴ。˚*




「お、覚えてろよ!!」











動揺しまくった山口くんは
郁己先輩と私にそう言って走って行ってしまった











「だっせ〜捨てゼリフ」











郁己先輩は
山口くんの行った方にボソッとつぶやいて


私を見据える





ファーストキスを奪われてしまいました…っ





多分今顔真っ赤だ…


あんまり見ないでほしい











「大丈夫か?ゆい丸」











心配そうに私を見て
上半身シャツだけの私に脱がされたブレザーを羽織らせてくれる




それでもいまだに震えは止まらなくて…



さっきの恐怖が鮮明に思い出される











「あいつ明日締めとくから安心しろ
俺の可愛いゆい丸に触った罪だ」





「うぅっ…こ、怖かったです…」











泣き出す私を静かに抱きしめてくれる郁己先輩











「どこ触られた?何かされたか?
スカートとか脱がされてないから大丈夫だとは思うが…大丈夫か?」





「は、はい…
ふ、太もも触られただけです…」





「よしよし…怖かったな〜」











そして背中をポンポンと規則正しく叩いてくれる






それだけで少しずつ落ち着いてきた





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