初恋イチゴ。˚*



[夏恋side]



夏恋と呼ばれてから私は翠くんに
放課後美術室に呼び出されました




…ということで
今、私と翠くんは向かい合っているわけです





きっとこれが最後



お互い感じているだろう











「夏恋」





「は、はい…?」





「夏恋の気持ち聞かせて」











こんな時でも優しい翠くん


こんな最悪な私にすごく優しい顔で語りかけてくれる翠くん











「私本当に翠くんが好きだった
でもね…高校に入ってから何でか春也のことを異性として意識してしまうようになったの」





「うん」











優しい相槌


優しく落ち着いた、安心する声





私はこんなにも優しくて尽くしてくれて
大好きだった人を裏切ったんだ











「本当に最低だよね…
翠くんと付き合ってるのに他の人を意識するなんて…ごめん」





「うん」











怒りもしない優しい、いつもと変わらぬ声で


でもその中に少しだけ悲しさが混じってることに気付くよ?












「夏恋は悪くない。もちろん春也も
こればっかりはどうしようもないことだから…」











そうは言われても自分がしたことがこんなにも翠くんを悲しませてるんだって思うとやりきれない











「それに、俺の事気にして遠慮とか罪悪感とか持たれた方が俺は惨めだからやだ」





「うん…」











そうだよね…


翠くんにとってそれは余計辛いことになってしまうんだね…






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