花田くん



気持ちをおちつけよう。


そうおもって深呼吸。


でも深呼吸したら、声でちゃう。


涙は、流れるばかり。



ふわっ。



「えっ。」


「だまってろ」


わたし、気づいたら、あいつの胸のなか。


着いた駅で、たくさん人がのってきた。


また、満員電車になった、


あいつは、わたしを壁側にして、自分でかくすようにしていた、


はやく泣きやまなくちゃ。


はやく泣きやもうっておもってるのに、


涙は、とまらない。


「うぅ」


かすかに。声がでてしまった。


「今日、まだ時間ある?」


さっきまでとは、ちがって優しい声がした、


「え?…ある」


「おりるぞ。」


「え!ちょっ!」


あいつは、私をひっぱって電車からおりた。



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