花田くん
《光》
コーヒーでいいかな?
いや、コーヒー飲めなかったら?
ココアにしよ。
そんなこと考えながら、自動販売機にボタンをおした。
ベンチにもどると、
唯葉ってやつがベンチの上で体育座りみたいなかんじになっていた。
…ないてんのか?
聞きたいところだが我慢して、
ココアをあいつの頭に弱くぶつけた、
「いたいっ」
ゆっくり顔をあげた。
相変わらず、俺の目をみることはない。
廊下でぶつかったときも。
出会ってまだ、1日もたってないが
目と目があったことは、いちどもない。