透明な海~恋と夕焼けと~
「じゃあこうしよう!」
仁科さんがクイズを解けたみたいに明るく言った。
「一緒に下で寝よう!」
「…一緒に?」
「え?
…あ、違う!変な意味じゃない!!
勘違いしないでくれ美音ちゃんッ!!!」
「変な意味って何ですか?
仁科さん、どう解釈したんです?」
「…美音ちゃんッ……」
悔しそうな仁科さんを見て、あたしは笑った。
「まさか二十歳にまでなって、年下に馬鹿にされるとは…」
「馬鹿になんてしてませんよー。
仁科さんは何を勘違いしたのか聞いただけですー」
お風呂から上がったばかりの、まだ濡れている髪を、仁科さんはくしゃくしゃにした。
何かあるとすぐ髪の毛いじるんだから……。
「下で寝よう、美音ちゃん。
それでソファーは誰も使わない。
我ながら良い案だと思うんだけど」
「そうですね。
それが1番公平ですよね」
「じゃ、布団を持ってくるね」
仁科さんはリビングを出て行った。
よく見れば仁科さん、かっこいいだけじゃなくて、スタイルも抜群。
しなやかで、手足も長くて。
モデルだって言われても、納得がいく。