透明な海~恋と夕焼けと~
☆季side☆
美音ちゃんにお風呂の使い方を教えて、僕はリビングへ戻って布団を敷いていた。
暫くし、静かな室内にシャワーの音が聞こえ始めた。
布団を敷き終えた僕は、思わず溜息をついた。
一体僕、何をしているんだろうか?
海で泣いていた美音ちゃんが放っておけなくて声をかけて。
雨が降って来て鍵のない美音ちゃんを家へ連れてきたけど。
自分の行動に、思わず笑う。
美音ちゃんは、まだ未来のある若い高校生だ。
僕なんかよりも、ずっとずっと良い子だ。
だから、僕なんかと関わるべき人間じゃないんだけど…。
まぁ本来僕らは出会うはずのなかった関係。
だから、明日になればすぐに終わる。
美音ちゃんはまた、明るい色づいた明日に向かって、歩き続けるんだ。
僕なんかと…一緒にいてはいけないんだ。
だって僕は―――…。
考えるのを止めるかのように、僕は首を振った。