透明な海~恋と夕焼けと~
自信がない。
来ないでって断られるのが怖い。
けれど。
あたしは仁科さんの傍にいたい。
何故だかそう…思えるんだ。
「……良いのかい?」
「え?」
寂しそうな笑みを浮かべながら、仁科さんはあたしを見る。
今にも泣いてしまいそうな瞳に、あたしが映っている。
「…当たり前じゃないですか。
あたしの方こそ、お邪魔しても良いんですか」
「どうぞ」
ニコリ、と仁科さんは笑う。
寂しそうな笑みが……消えた………?
「今から来る?」
「えぇ!?」
「あ、強制はしないけど……」
「……………す」
「ん?」
あたしは真っ直ぐ、仁科さんを見つめた。
「………行きます…………」