透明な海~恋と夕焼けと~
「……な、何しているの?」
声だけでもわかる、引き気味の声。
あたしがこんなにも哀しんでいるのに。
何で引かれなくちゃいけないのよ。
ムカついたあたしは、ふと顔を上げた。
「……だ、大丈夫?」
しかし、声だけするだけで、誰もいない。
あたしはキョロキョロ辺りを見渡した。
すると。
「ぅわあああ!?」
「わっ!?」
何と声の主は、頭上にいたんだ。
あたしが上を向いた時、彼と目があった。