透明な海~恋と夕焼けと~








「……な、何しているの?」




声だけでもわかる、引き気味の声。





あたしがこんなにも哀しんでいるのに。

何で引かれなくちゃいけないのよ。




ムカついたあたしは、ふと顔を上げた。






「……だ、大丈夫?」





しかし、声だけするだけで、誰もいない。

あたしはキョロキョロ辺りを見渡した。





すると。






「ぅわあああ!?」

「わっ!?」




何と声の主は、頭上にいたんだ。




あたしが上を向いた時、彼と目があった。







< 4 / 92 >

この作品をシェア

pagetop