透明な海~恋と夕焼けと~
第3章
綺麗な色
☆美音side☆
2回目に肉じゃがを作った日から、あたしは仁科さんとメアドを交換した。
そういえば。
仁科さんと基樹の間に関係があったことはわかったけど。
仁科さんに直接繋がる秘密は、まだ闇に包まれている気がする。
沢井財閥の社長さんが、仁科さんの義理の父親って言っていたよね?
基樹の名字は、沢井。
じゃあ、沢井財閥の社長さんが、基樹のお父さん?
……めちゃくちゃややこしくないか?
そんなことを考えながら、あたしはお弁当を突っついた。
今日も、仁科さんに作ってもらったお弁当。
相変わらず手が込んでいて、食べるのが勿体ない。
「折坂さーん!」
「あ、浅居さん?」
再びあたしの前に座る浅居さん。
「折坂さんに、放課後頼み事しても良いかな?」
「頼み事……?」
暇だったこともあり、あたしはオッケーした。