死んだなら【短編】
短髪で、少し焼けた肌。
「キョウ…」
何度、呼んでも届かない…。
私は、キョウに近寄って
静かに隣に座った。
震えているキョウ。
嗚咽が聞こえて、胸が苦しくなる。
「泣かないで…」
聞こえてないって分かってるけど
放っておけない…。
「ごめんね…キョウ」
こんな私を、銀髪の彼は壁に寄りかかって、見守っている。
「明日、キョウの誕生日なのに……っ」
涙が、溢れて
一気に、キョウとの思い出が蘇る。
「ケーキ食べる約束…したのに…」
一緒に、いたかった。
ずっと、一緒に…。