死んだなら【短編】



だけど…


私は、死んだ…って。



閉じていた目を、ゆっくりと、開ける。



目に飛び込んできたのは、私の住んでいる家。



なんだ、私、生きてるじゃん…。



声だって出るし、歩けるし


なにより、家にいるんだから…。




リビングのキッチンに座って、テレビをジッと見つめる、ママ。


ソファーにうなだれるパパ。




「どうしたの? ママ、パパ」




リビングに入って声をかける。

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