死んだなら【短編】



テレビでも、言ってた…。



そうか、


死んだんだ…。



何度も、頭の中をグルグルしている


その言葉。




だけど、私


生きてたときと同じように


動ける…。




「ミユリ。なにか食べた方がいい」


「……」




パパが、パンをテーブルに置いた。



だけど、ママはパパを見ようとしない。


ジッと一点を見ている。




「ミユリ。ずっと、そうしているつもりか…?」




パパの静かな、低い声が、リビングに響いた。

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