死んだなら【短編】



そう伝えたいのに

何も言えないんだ…。



今になって思うのは


両親に、何もできなかった…ってこと。



迷惑かけて


反抗したりして


嫌い…とか言って…。



そんな毎日だった。



ごめんね…。


パパ。ママ。



俯いて、手を握り締めたとき


後ろから声が聞こえた。




「苦しいか?」



「…!?」




彼は、私に話しかけていた。


私のことを見て…




「私のこと、見えるの…?」

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