ヴァンパイア〜永遠の命

「伊織は…優しいね…」

伊月さんは、悲しい顔をしていた…

「伊月さんっ…」

「ごめんね、
こんな事に巻き込んでしまって…
こんなつもりじゃなかったんだ」

「…伊月さん…」

「そうだ…これ…」

「えっ…」

伊月さんは、
紅色の綺麗なペンダントをくれた

「綺麗…」

「お守りだ…
伊織…頼むから…傷つかないでくれ…」

何を抱えてるかなんてわからない
でも…伊月さんは、
すごく優しい…

「伊月さん…私は誰かが
私を守ろうとして死んでしまうのは、
嫌なんです…。
たとえ、
それが、ヴァンパイアであっても…」

「伊織…。」

「昔…
兄が亡くなってしまったんです
その前に母も父も、亡くなっていて
ずっと、面倒をみてくれて
でも…私が小学生6年生の時に…
事故で…
だから、友達もいないし、
彼氏なんて出来たこともないんです…
伊月さんや、水無月さんや、
天道さんや、甘城さんは、
ヴァンパイアだから、少しだけならって思って…でも…やっぱり無理でした…
感情のもったものと…
一緒に居たら…私は…
また大事なものをつくってしまう…
だから!旅行なんてっ…うっ…
本当はっ…したくない…っ
でも…したいとも思うんです…
どうすればいいの……?」

私が泣き崩れていると…
伊月さんは、抱きしめてくれた…

「死なない、
俺を誰だと思っている…
ヴァンパイアだ…
王だ…死ぬなんてあるわけない…
あいつらだって死なない…
一生を、賭けて、
俺に尽くすって言ったんだ…
それが、親の…立場で決めたことでも
それでもいい、
俺の側にいてくれるなら…」
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