こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
ぼく、どれいになる!!
ドンドンドンドン!!!
「美浦さぁ~ん?いますかぁ?いるんでしょ~?隠れたって無駄だぞ。ごらぁ!!!」
ガンッ
「……ヒッ!」
暗くカーテンを閉めきられた室内。
親子3人身を寄せあい部屋の隅の角っこで声を必死に殺しながら震えている。
扉の前にいる男たちが早く立ち去ってくれることだけをただひたすらに祈りながら。
「……大丈夫だ…。大丈夫だからな…」
父は何が大丈夫なのかうわごとのように自分に言い聞かせるように何度も何度も繰り返し呟いていました。
だけど当時の私はまだ4歳。
どうして身を潜めるのか、どうして男たちが来ているのかなんにもわかっていませんでした。