こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから


「おい、美浦ぁ!!借金返せよ、しゃっきん!!借りたものはちゃんと期限までに返しましょーって学校で習わなかったのかぁ!?おい、美浦ぁ!!」

周りの子たちはみんな幼稚園や保育園に通ってて元気いっぱいに外を友達と一緒に駆け回っているのに、私は一度も外ヘ出たことがありません。

その理由は簡単、四六時中借金取りの男たちがこうして見張ってるからです。

私は窓から無邪気な笑顔で走り回ってる子供たちを見るたびに羨ましさに駆られ、いつしか外の世界に憧れを抱くようになっていきました。

そのため何も知らない無知な私はしきりに外ヘ出たいだのみんなと遊びたいだのどうして引きこもってるのかだの問い質し母や父を困らせていました。





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