こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
しかしそんなある日、転機が訪れます。
なんと父と母が外ヘ連れ出してくれたのです。
男たちの監視の目を掻い潜って一目散に逃げ出しました。
初めて見た外の世界は何もかもが新鮮で私は終始はしゃぎっぱなしでした。
その後ろで父と母が切なそうに顔を曇らせていたことさえ気付かずに。
これが最初で最後の外出になることなど知らず無邪気に「これからはいっぱい遊んでいっぱいお外に出れる、もう誰とも知らない男の人達に怯える日々は終わったんだ」と明日からの生活に希望を見いだしていました。
そんなわけはなかったのに…。
本当の地獄はこれからでした。