こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
そうこうしているうちに近所の人に見つかり、警察と救急車が呼ばれ、一気に騒がしくなりました。
事情聴取をしようにも当時の私はまだ4歳。
話を聞ける状態じゃありませんでしたし、みんな私を同情と好奇心が混じった目で見ます。
私は現実と向き合うことができなくて、両親は生きていると思い込むことにしました。
周りの人は両親の死を目の前で見たのに一滴の涙も流さない私を不思議がり、不謹慎だと気味悪がりました。
あっという間に葬式や火葬の日取りが決まり、あとは私の引き取り手。
しかし、これには親戚一同皆こぞって嫌がりました。
それはそうでしょう。私の両親は莫大な借金だけを残して勝手にいなくなったのですから。
私は外で遊んでいるように言い付けられました。