こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
なんでこんなとこに子供が?
しかも一人だし。
親や友達は?
様々な疑問が浮かぶ中、その子は一人で砂で遊んでいた。
「ねぇ、どうしたの?」
「……君は…、誰?」
「私?私はななっていうの。あなたは?」
「……しょう。美浦、しょう」
これがしょうとの出会いだった。
「どうしてこんなところにいるの?パパとママは?」
「パパもママも……、僕を残していなくなっちゃった…」
「……」
「おじさんも…、おばさんも…、僕に外で遊んでろって……」
両親がもう戻ってはこないということを受け入れるにはまだ幼すぎた少年。
しかし私はそれよりも気になることがあった。
「しょうのパパの名前は?」
「…ん?美浦…、翔平」
───やっぱりそうか。
それじゃあ、この子は─────。
全てを悟ったとき、私は思った。
……これは使える、と。