こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
「私の名前は水崎なな。で、お前は?」
「伊集院つかさ……」
「そうか。つかさ、おいで」
そう言って連れてかれたのはでっけぇ建物。
「ここが今日からお前の家だよ」
「は?」
まじかよ。こんなのぜってぇ暴走族の本拠地とは思われないだろ。もしくはそれを狙って設計されているのかもしれないが。
「とりあえず入って」
観音開きの扉を開けるとただっ広いホールのようなところが広がってた。
「こっち」
ななが先頭を歩き、俺はついていく。
奥に進むにつれて複雑になっていく道。
もうどこを歩いているのかわからなくなった。
ななはどこを歩いているのかわかってるようで迷いなく突き進んでいく。
と思った矢先、いきなりななが立ち止まった。