こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
きょろきょろして首を傾げてまた歩く。そしてまた立ち止まり、振り返る。
その繰り返し。
……まさか。
「ここはどこ?」
「知るか!!」
思わず突っ込んでしまった。
「つーか、知ってて歩いてたんじゃなかったのかよ」
迷う素振りすら見せなかったじゃねぇか。
「そんなわけないでしょ。勘」
「はぁ?直感で動いてたっていうのか?」
「そ」
この女、もしかしてバカ?
俺が呆れていると、徐に携帯を取りだし誰かに電話を掛け始めた。
「あ、私!私!」
新手の詐欺?
「10秒以内に来て」
ブツッ
「これでいい」
は?