こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから


───そんなとき、俺はある一人の女と出会った。

二十代後半ぐらいのいかにも男遊びが激しそうで派手な女は一回きりを良しとはせず、尚も身体の関係を迫ってきた。

鬱陶しかったけど、貢いでくれるし俺が他の女と寝てても黙認しているようだから都合がいい。

あまりにもしつこいので、しぶしぶ女が独り暮らししているマンションに転がり込んだ。

女はどこかに用があるらしく、出掛けていることがほとんど。

帰ってきても俺に行為を強要するだけだからそれ以外の接触は全くと言っていいほど無かった。

その際、女の体から別の男の匂いがしたから他にも男がいたんだろう。

そんときの俺はそこまで重要視していなかった。

小学生の体に欲情して腰を振る女に興味はなかったし、何故一緒にいるかと聞かれると都合がいいからとしか言い様がない。

俺は金に困ってる、女は誰でもいいから快感を得たい。

いわゆる利害の一致というやつだった。

< 39 / 52 >

この作品をシェア

pagetop