こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
そんな生活が続いたある日、夜中になっても女は帰ってこなかった。
それはまぁ、別にいい。
今までにも遊び歩いて帰ってこない日はあったし、ぶっちゃけどうでもいい。
けど今日はいつもとは違うことがあった。
深夜2時近くなっていきなりマンションのチャイムが連打され、俺は飛び起きた。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンピンピンピンピピピピピ!
「……チッ。誰だよこんな時間に。うっせぇなぁ」
仕方なく出るとドアの前には複数のチンピラ達が。
「…よう。兄ちゃん」
どっからどう見てもその筋の人達にしか見えない奴らは寝ぼけてまだ状況把握が出来ていない俺の頭を金属バットで思い切り殴りやがった。
「ちょっと着いてきてもらおうか」
ぼやける視界の中、にやりと嗤う男の口元が見えて───俺は意識を手放した。