こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
その後の俺達がどうなったかというと。
水崎家に引き取られてからしばらくして俺達は拉致られた。
“組織”と名乗る怪しげな集団によって。
“檻”と言われる所に閉じ込められ、ありとあらゆる暗殺の技術を叩き込まれた。
それも結局は俺達に有利に働いたんだけどね。
だって“檻”に入ってからなな達と出会うことが出来たし何より────。
月一ペースで“檻”を巡回に来る当時の上層部を力を合わせて根こそぎ殺すことが出来たから。
おかげで通常なら十二歳まで居なきゃいけない“檻”を僅か九歳で卒業出来た。
“檻”を出てから俺達五人は“フリークス”と呼ばれ“組織”のトップに躍り出た。
俺はかなり渋ったが十二歳で勉強の為渡米する事を決定し、ハーバード大学を飛び級首席卒業をした。
本当ならそのまま日本に戻りたかったけど、どうしてもロシアに行かなきゃいけない用事が出来たんだ。
これがいけなかった。ああ、俺が悪い。
時間が偶々空いた時にななにお土産でも買っていこうと町を観光していた時のこと。
────マフィアとギャングの抗争に巻き込まれた。
それだけなら俺だって素通りできるというのに……、あろうことか俺にまで向かってきたのだからさぁ、大変というヤツだ。
仕方ないからそいつを殺したらそいつはロシアンマフィアのボスでボスを殺した奴が次のボスになる決まりなんだそう。
知るか。俺には関係無い。
そう言い逃げようとするも、相手側も存外にしぶとい。
結局こっちが折れた。
おかげで日本には易々と入国できなくなった。
何でも国際問題に発展しかねないからだとか。
母国なのに。
生粋の日本人でも日本に入るのはいろいろとアウトなんだそう。
兄はマフィアのボス、弟は殺し屋組織のボス。
世界でも類をみない危険因子として確実にブラックリストに載ってしまった。
でも、そんな俺達を受け入れてくれる人がいるからそれも悪くないかなって思うんだ。