これは絶対に恋じゃない
髪の毛は、きちんと校則通りに2つに結び、少し度の高そうな黒縁メガネをかけていた。
一回目の集まりの時は、あまり、言葉を発していなかった印象がある。
でも、先生の指名で、委員長にされてたんだよね。
…そっか、金石さん風邪なのか。大丈夫かな…?
「そうそう!金石さん。オレ、隣の席だったから覚えてる。あのメガネかけた大人しそうな感じの子」
「…あと、5組って、あの人でしょ?剣道部の…キャプテンの…」
「あー、佐伯のこと?アイツは、有名だしね」
よく、朝礼の時、剣道部の代表で表彰されてた彼のことは、私も知っていた。
そういえば、ちょっと前に加恵がカッコいいって騒いでたな。
それにしても、
「…てか、委員長の金石さんがいないし、そろそろ委員会始めなきゃでしょ?…どうする?」
今、いちばんの問題はそこだ。