これは絶対に恋じゃない



────……



「校長先生、最後の最後まで話長かったねぇ。私、疲れちゃった」


「つか、うちの担任泣いてたよな??」



「マジ?オレ、全然、そっちのほう見てなかったわ」



卒業式も無事にすみ、最後のホームルームも終わった教室内は、すでに朝の活気を取り戻していた。


皆が楽しそうに会話をしている様子を横目に、私は、



「加恵、ちょっと悠希迎えに行ってくるね。遅くなりそうだったら先に行っちゃっててもいいからね。春ちゃんと松田くんにも言っといて」



と、加恵に言葉をかけた後、急いで悠希のクラスにむかう。



悠希のクラスにつくと、



帰り支度をしている生徒や教室内でおしゃべりに花を咲かせている生徒など、まだ多くの生徒が残っていた。



けど、



…あれ?悠希は…?



なぜか、そこには悠希の姿が見当たらない。




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