これは絶対に恋じゃない



不思議に思い、キョロキョロと、教室内を見渡していると


「あれ?悠希の彼女ちゃんだよね?たしか…凜ちゃん!」


そう声をかけてくれたのは、何度か悠希と一緒にいるのを見たことがある男子生徒。



「…はい。えっと…」


「あ!急に話しかけたから驚いたよね?オレ、悠希の友達の柳井って言います!…悠希探してんの??」


柳井と、名乗った男子は二カッと、人懐っこい笑みを浮かべ話しかけてくれる。


「…うん。そうなんだけど…柳井くんは見てない?」


「いや、ついさっきまでいたんだけどさー?トイレかな?」


「…そっか。じゃあ、私ちょっと校内探してくる。ありがとう!」



最後に、柳井くんにお礼を述べて、私はそのまま悠希のクラスを後にした。



…さて、どこ探そう…


とりあえず、LINEしてみようかな。



そう思ってスカートのポケットの中からスマホを取り出し、“今どこ??”と、一言だけメッセージを送っておく。





< 128 / 291 >

この作品をシェア

pagetop