これは絶対に恋じゃない
不思議に思い、キョロキョロと、教室内を見渡していると
「あれ?悠希の彼女ちゃんだよね?たしか…凜ちゃん!」
そう声をかけてくれたのは、何度か悠希と一緒にいるのを見たことがある男子生徒。
「…はい。えっと…」
「あ!急に話しかけたから驚いたよね?オレ、悠希の友達の柳井って言います!…悠希探してんの??」
柳井と、名乗った男子は二カッと、人懐っこい笑みを浮かべ話しかけてくれる。
「…うん。そうなんだけど…柳井くんは見てない?」
「いや、ついさっきまでいたんだけどさー?トイレかな?」
「…そっか。じゃあ、私ちょっと校内探してくる。ありがとう!」
最後に、柳井くんにお礼を述べて、私はそのまま悠希のクラスを後にした。
…さて、どこ探そう…
とりあえず、LINEしてみようかな。
そう思ってスカートのポケットの中からスマホを取り出し、“今どこ??”と、一言だけメッセージを送っておく。