これは絶対に恋じゃない


ほどなくして旧校舎につながる渡り廊下に辿り着いた私は、そのまま渡り廊下をスタスタと歩いて旧校舎の入口をくぐった。


一階は、全く人のいる気配がしないので、すぐさま二階へと続く階段を上り始める。


二階の方も、薄暗く、人の気配はしない。



…あとは、三階…と、屋上だけど…。

屋上は、鍵がかかってるから入れないはずだし。


三階に続く階段を上りながらそんなことを考えた。


でも、御池くんは鍵持ってたし…もしかして悠希も持ってるのかもしれないよね?


三階では、少しだけ教室を回ってみるが、一、二階同様人のいる気配は皆無。



…あとは、


ちらりと、屋上に続く階段に視線を移した。


新校舎の影になっていて、日当たりがよくないのからなのか、なぜか階があがるごとに旧校舎は、薄暗くなる。



…誰もいない旧校舎か…。



御池くんと一緒にいた時は、悠希のことで切羽詰まっていたから感じなかったが、よくよく考えると少しホラーなシチュエーションだ。



…だ、大丈夫。屋上には一回いったんだし…







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