これは絶対に恋じゃない
 


それにしても、広瀬くんには助けられちゃったな…。


正直、本当に助かった。広瀬くんがスマートに立ち回ってくれたおかげで場の雰囲気も壊さなくてすんだし。


あ!お礼は言っておかないと!


そう思った私は、


「あの、広瀬くん…ありがとう。なんか、嫌な役回りさせちゃってゴメンね」


と、少し控えめにお礼を言う。



「いや、気にしないで。凜ちゃんは、悪くないし」



大人だな…。



ニコリと、爽やかな笑みを浮かべる広瀬くんの物腰の柔らかさといったら、同い年とは到底思えない。



まさに、“紳士”という言葉がピッタリだ。



< 145 / 291 >

この作品をシェア

pagetop