これは絶対に恋じゃない


「っ、凜!?凜だよね!?っ、なんで今まで全然連絡しなかったの??高校だって、凜が桜丘行くなんて聞いてないし、卒業してからも…スッゴい心配して…でも、凜の家にいっても会えないし…」



見た目は、少し髪を明るく染めて、ショートだった髪型もセミロングまで伸びていて…ゆるく、パーマが巻かれている。


けど、



変わってないな


心配そうに私を見つめる瞳も、不安な時についつい早口になってしまう癖も、


あの頃のままで、



少しだけ、懐かしい。



「加恵ー??何?友達??」


「加恵…大丈夫?ちょっと落ち着きなって」



加恵もきっと、たまたまこの店で飲み会でもあっていたのだろう。


早口で、まくしたてる彼女に周りにいた友達らしき数人の女の子たちが声をかけている姿が目に入った。



よかった…加恵は、加恵で今、楽しく過ごせてるんだね。



加恵を本気で心配している友達の姿をみて、素直にそう思った。



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