これは絶対に恋じゃない


「…あ、ゴメン。ちょっと、中学時代の頃の友達で…みんな、先に帰っといて?ちょっと、話したいことあるからさ」


「…加恵がそういうなら、先に帰るけど…後で連絡しなよね?」


ちらりと、不安げに私と加恵を交互に見つめる彼女たち。



「うん、ゴメン。今日は、ありがとう!また、大学でね!」


店をあとにする彼女たちに向かってそう声をかけ、軽く笑みを浮かべる加恵。



そして、


彼女たちの姿が見えなくなった途端、



ガバッ



「凜のバカ」




と、呟き、私に思い切り抱きついてきた。



「…ちょ、あなた、誰かしんないけど…今、私たち飲み会中なんだ、凜の友達みたいだけど、また別の日にしてくんないかな?」



舞香も、あまりに急な事態で状況がよく読み込めていないのか、とりあえず、やんわりフォローしてくれる。



舞香以外の大学の友達も、男子との会話をやめ、私と加恵、そして、舞香のやりとりに注目しているのがわかった。




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