これは絶対に恋じゃない


あ、今日開いてる。

最近、ずっと閉まってたから心配してたんだけど…


少し気にしつつも、そのまま商店の前を通り過ぎようとした時だった。


「あら?凛ちゃん??」


誰かに名前を呼ばれ、とっさに振り返る。


「あ…今井のおばさん」


そこにいたのは、この商店を営んでいる今井さんだった。


小さい頃は、よく駄菓子をオマケしてくれたもので、優しいおばさんの印象がある。



「あらあら、まぁ。久しぶりねぇ。高校で凛ちゃん寮に入っちゃったからなかなか会う機会なかったものねぇ」


「はい。お久しぶりです!おばさん、お元気ですか?」


「えぇ。元気よ。それにしても、また、凛ちゃん一段と綺麗になってー男の子も放っておかないでしょ?」


そう言って、うふふ、と、上品に笑う今井のおばさん。





< 187 / 291 >

この作品をシェア

pagetop