これは絶対に恋じゃない
…断るのも、変だよね…それに、車で駅まで15分かからないくらいだし
「…ありがとう。助かるよ」
正直、御池くんのことが気がかりではあるけれど、加恵もいるしそう思うと、幾分か気持ちが楽だ。
「よし!決まりね!じゃあ、凛後ろ乗って!」
加恵に促され、私は素直に車の後部座席に乗り込む。
「御池くん、運転お願いします」
「任せて、三枝ちゃん」
「凛、心配しないでーこう見えて徹、運転は、かなりうまいのよ」
「運転は、って俺の特技それだけ?」
楽しそうに会話する加恵と御池くんの姿に自然と笑みがこぼれた。
しかし、それと同時に、悠希の気持ちを知っていたはずの御池くんがどうして加恵と付き合うことになったのか、その経緯について、気になってもいた。