これは絶対に恋じゃない
有無を言わせぬ迫力に私は何も言い返せない。
「…わかった」
と、ようやく口を開いた時には、すでに駅に到着していた。
降り口のドアが開き、私は他の乗客が降りていく流れにのり、電車を降りる。
駅の改札を抜け、先ほど、悠希から受け取った紙をひらいてみる。
そこには、
携帯番号とLINEのIDが書かれていた。
急いで書いたのか少し、字のバランスが崩れている。けど、それは、まぎれもなく悠希の筆跡。
会いたくないと、思っていた時は全く会うことなんてなかったのに…
加恵や御池くんと再会して…当時のことをまた、考えるようになった今になって、悠希と偶然会うなんて…。