これは絶対に恋じゃない
「…凛」
ドキン
優しく私の名前を呼ぶ彼。
だけど、
なかなか、私は、顔をあげられない。
さっき、気づいてしまった"悠希が気になっている"という事実。
本人を目の前にして、思い出し、急に恥ずかしくなったのだ。
「…広瀬から、連絡あって…。今日、凛と会ってるって聞いた。…広瀬と付き合ってるのか?」
…はい?
何で、そんな話になってんの?
バッと、顔を上げると、今度は悠希が私から視線を外す。
「ちょっと待って!悠希…私、広瀬くんは友達だけど、付き合ってなんかないよ」
「…は?でも、さっき、電話でアイツ……っんだよ、そういうことか…ハァ。アイツ、次会ったら覚えとけよ…」
私の答に驚いたように一瞬、目を見開いた彼。
しかし、
すぐに何かを察したのか、ため息をつき、そう言い放つ。