これは絶対に恋じゃない
「…なんで、来てくれたの?」
気づけば、そんな質問をしていた。
「…そりゃ、当たり前だろ。凛と広瀬が付き合ってるって聞いたら…いてもたってもいられなくて。とりあえず、お前に確認しないとって…」
私の前の席に座り、悠希は、ゆっくり言葉を紡ぐ。
よく見ると、額に汗をかいていて、少し息が切れている。
…急いで来てくれたんだ
「…悠希、どっから来たの?汗かいてるし」
「大学でレポートしてた…あと、凛からのLINEの返信内容考えてた…凛、連絡くれてありがとな。嬉しかった。」
大学からって…結構距離あるのに…。
素直に嬉しかった。悠希が私のことを気にしてくれたことが。
「…ねぇ、悠希。私、いくつか悠希に聞きたいことあるの。今から、少し時間もらえる?」
きっと、これは、広瀬くんが背中を押してくれたんだ。
それなら、私がしなければいけないことは、悠希と、話すこと。
もう逃げない。あの日の出来事から目をそらさない。