これは絶対に恋じゃない

「…そっか。委員会ならしょうがないね。…ってそういえば凛は、何委員会だっけ?」


小首をかしげて、尋ねる加恵に向かって。


「保健委員だよ。4月、ジャンケンで一人負けしたんだもん」

ため息をつきそうになるのをこらえつつ、私は言葉を紡ぐ。


本当は、やりたくなかったんだけどね…。


「あぁ!思い出した!一発で決まっちゃったやつね」


「そうそう。でも、案外、集まりないみたいで今年集まるのもまだ2回目だよ?保健委員会は。風紀委員とかよりはだいぶマシみたい」


そう。
紀委員会や生徒会などは、週に1回は話し合いがおこなわれているのに、この中学、なぜか保健委員会は、集まりが少ない。

そこだけは少し助かっていた。


「ふーん。まぁ、ドンマイ。委員会頑張って」


と、言ってニマニマと意地悪な笑みを浮かべる加恵。


他人(ひと)事だと思って…。


その時。


ーーキーンコンカーンコーン。


始業を告げるチャイムが鳴り響き、私たちは、急いで自分の席につくと、一時間目の準備をはじめたのだった。

< 7 / 291 >

この作品をシェア

pagetop