これは絶対に恋じゃない
そして、
悠希は、そのままうちのクラスの前を通り過ぎて行った。
…ふん、もういいや。気にしない、気にしない。
さ、私はうちのクラスの授業に集中しよ…!
視線を廊下から黒板の方に戻すと、ちょうど、先生が教卓で教科書を広げているところだった。
その時、
私の席の後ろから誰かの視線を感じ、
…なんか、嫌な予感が…
そう思いながらも、おそるおそる、後ろをチラリと振り返る。
…!?
すると、
そこには、ニヤニヤと、楽しそうな笑みを浮かべた加恵の姿。
その姿が目に入った瞬間、私は、パッと前をむき直す。
…悠希とのやりとり絶対…見られてた
後でからかわれるのが目に見えて、私は軽くため息をついた。