これは絶対に恋じゃない



─────……



「ちょっと~、凛!!見たわよ~、イチャイチャ見せつけてくれちやって」



「…いや、別にイチャイチャなんかしてないんだけど…」



授業が終わり、今は昼休み。



私の思ってた通り、さっきの悠希とのやりとりをからかう加恵に、私は、肩を落とした。



「まぁまぁ、そんな照れなくても!!」



「照れてないんだけど…」



と、ポツリと、言葉を漏らすも全く彼女には聞こえていないよう。



私は、そっと、ため息をついて立ち上がる。



「…あれ?凛お昼は?悠希来るんじゃないの?」


「えっと、ちょっと他のクラスに用事があって…この前借りっぱなししてたものあるから返してくるね。悠希が来たらそう言っといて」



“ついてこようか?”という彼女に、



私は一言、“大丈夫、すぐ戻るから”そう言い残し、自分のクラスを後にする。




< 77 / 291 >

この作品をシェア

pagetop