これは絶対に恋じゃない
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「ちょっと~、凛!!見たわよ~、イチャイチャ見せつけてくれちやって」
「…いや、別にイチャイチャなんかしてないんだけど…」
授業が終わり、今は昼休み。
私の思ってた通り、さっきの悠希とのやりとりをからかう加恵に、私は、肩を落とした。
「まぁまぁ、そんな照れなくても!!」
「照れてないんだけど…」
と、ポツリと、言葉を漏らすも全く彼女には聞こえていないよう。
私は、そっと、ため息をついて立ち上がる。
「…あれ?凛お昼は?悠希来るんじゃないの?」
「えっと、ちょっと他のクラスに用事があって…この前借りっぱなししてたものあるから返してくるね。悠希が来たらそう言っといて」
“ついてこようか?”という彼女に、
私は一言、“大丈夫、すぐ戻るから”そう言い残し、自分のクラスを後にする。