これは絶対に恋じゃない
しかも、その日に限って、私の隣の席に座る予定だった保健委員の子、休みみたいだったし…。
…今日は来てるかな?隣の人。私の隣ってことは2組の人のはず。
『3年2組。原田ユキ!原田は欠席か?』
ふと、先生がそう名前を呼んでいたのを思い出した。
“原田ユキ”ちゃんか…。
…仲良くなれるといいな。
廊下を足早に歩きながら、中学生の私は素直にそう思っていた。
……でも、
今は、あの日、保健委員なんて行かなければよかったって思うときがある。
だって、“悠希”と、出会わなければ、
あんなに辛くて、悲しい思いをしなくてすんだはずだから…。