砂~限りある時間のなかで~
謎の思い
【勇希サイド】

授業中、ずっと頭から離れなかった。


どうして急に、西宮さんは俺を避けるようになったのか。

クリスマスの日だって、
普通に喋ったし、仲良くしてたのに。


しかも、さっきだって。

話しかけたら、急に用事があるからとか言って教室から出て行った。

用事なんてバレバレの嘘ついて何やってんだよ。


それに、龍司もいない。


アイツはサボるようなことはしない。もしかしたら、西宮さんのところに…。



いや、それはどうだろう。
女子と仲良くするなんて、考えられない。


「おーい。聞いてる?大丈夫?」

「あっ。」

「ボーッとしてたよ。」

「うん。ちょっと考え事。」

「へぇ~。何考えてたの?」

「大したことじゃないよ。」



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