レンジ
招待の電話
今年の夏は例年になく暑いらしい。
毎年恒例のこのフレーズ、いつか日本の気温は50度を超えるのだろう。
部屋の片隅のテレビにはエアコンの効いたスタジオで照明に照らされながらタレントがいかに節電が大事かを呼びかけている。
「暑い…」
なにも我が家にエアコンが無いわけではない、妻がエアコン嫌いである。単純にそれだけの理由。
結婚して5年。そんな夏にもなれてきている。今年で俺も30歳になる。
30歳などと言えば小学校の頃はおじさんだと思い込んでいた。
暑さにうだり扇風機をぼーっと見つめていたら会社に持たされている携帯に着信が入った。
なんだよ、休みの日に。また問題でも起きたのか。と汚いものを摘むように携帯を拾い上げ通話開始を選ぶ
「やっほー、僕は今ゲームショップにいます」
新手のいたずらにしては意味がわからない。着信を確認してみると、城田悟の文字が。
なるほど。
城田は俺の最も仲の良い会社の先輩であり、最も仕事を仕事と思っていない男である。
これで、役職者なのだから会社が心配になる。
「なんですか?城田さん。クソ暑い部屋でうだってるんです。仕事じゃないなら切りますよ?」
電話の向こうで、ニヤニヤ笑う城田の様子が感じられる声で彼は言う。
「今僕の前にドラゴンナイト11が二本あります。どうする?」
なるほど、ドラゴンナイトシリーズは日本で三本の指に入るRPGである、その最新作を仕事中に買いに来たのである。
「今回のドラナイはオンラインゲームなんだよ?やらない?買ってくから。」
俺はゲームこそするが、オンラインゲームは面倒だと距離を置いていた。
しかし、この時ばかりは何故か手を出してみたいと思ってしまった。
「わかりました、おねがいします。」
買っていくねー、コントローラーはなどと話し続ける城田の電話を切り、また扇風機を眺める事にした。
毎年恒例のこのフレーズ、いつか日本の気温は50度を超えるのだろう。
部屋の片隅のテレビにはエアコンの効いたスタジオで照明に照らされながらタレントがいかに節電が大事かを呼びかけている。
「暑い…」
なにも我が家にエアコンが無いわけではない、妻がエアコン嫌いである。単純にそれだけの理由。
結婚して5年。そんな夏にもなれてきている。今年で俺も30歳になる。
30歳などと言えば小学校の頃はおじさんだと思い込んでいた。
暑さにうだり扇風機をぼーっと見つめていたら会社に持たされている携帯に着信が入った。
なんだよ、休みの日に。また問題でも起きたのか。と汚いものを摘むように携帯を拾い上げ通話開始を選ぶ
「やっほー、僕は今ゲームショップにいます」
新手のいたずらにしては意味がわからない。着信を確認してみると、城田悟の文字が。
なるほど。
城田は俺の最も仲の良い会社の先輩であり、最も仕事を仕事と思っていない男である。
これで、役職者なのだから会社が心配になる。
「なんですか?城田さん。クソ暑い部屋でうだってるんです。仕事じゃないなら切りますよ?」
電話の向こうで、ニヤニヤ笑う城田の様子が感じられる声で彼は言う。
「今僕の前にドラゴンナイト11が二本あります。どうする?」
なるほど、ドラゴンナイトシリーズは日本で三本の指に入るRPGである、その最新作を仕事中に買いに来たのである。
「今回のドラナイはオンラインゲームなんだよ?やらない?買ってくから。」
俺はゲームこそするが、オンラインゲームは面倒だと距離を置いていた。
しかし、この時ばかりは何故か手を出してみたいと思ってしまった。
「わかりました、おねがいします。」
買っていくねー、コントローラーはなどと話し続ける城田の電話を切り、また扇風機を眺める事にした。