俺、お前に惚れてんだけど。
ソファーに奏太と並んで座り、ドラマを観る。
性格はまったく違うけど、観るドラマや好きな歌手は被ってるから、いつもどっちかが録画予約をしておくんだ。
忘れた!と思っても奏太がしてくれてることもあるから、そういう面では助かることもある。
「さっきから時計ばっか気にしてんじゃん。やっぱり、用事があるんじゃないの?」
隣から奏太がチラ見して来る。
「……ないよ」
あるわけないじゃん。
行くなんて、ひとことも言ってないんだからね。
今は10時半で、約束の時間まであと30分。
ここからモミジ公園までは徒歩10分。