俺、お前に惚れてんだけど。


「絶対払うから」



「だからいいっつってんだろ?しつこい」



「だ、だって……」



一歩も引かないあたしに、久間君も同じく譲らない。


だって付き合ってもいないのに、ましてや友達ともいえないようなよくわからない仲なのに、出してもらうのは気が引ける。



「これでも一応必死なんだよ」



「必死って?」



何が?



「俺、お前に惚れてるっつってんじゃん。これでも、どうやったら気を引けるか必死に考えてんだよ」



横目でちらりと見られ、なぜかその視線に鼓動がドキッと跳ねた。



「な、なに言ってんの……?冗談はやめてっていつも」



「冗談じゃねーし」



ううっ。


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