俺、お前に惚れてんだけど。
なんでだろう。
いつもならこんなことを言われてドキドキしたりしないのに、今日はなんだかすごく落ち着かない。
いつもみたいに軽く交わして逃げたいのに、真剣な久間君を見てたら何も言えなくなってしまった。
変だよ、あたし。
どうせ、いつもみたいにからかってるだけなのに。
本気にするだけムダ。
流されちゃいけない。
「俺、マジでお前のこと……」
『間も無く電車が到着します。黄色い線の内側でお待ち下さいーー』
その時、タイミング良くホームにアナウンスが流れた。
「あ、で、電車来たね!休みの日だから混んでるかもね〜!」
久間君の声に気付かないフリをして、ムリに笑って誤魔化した。
もう、聞きたくない。
どうせ……からかってるだけなんだから。