俺、お前に惚れてんだけど。


なんでだろう。


いつもならこんなことを言われてドキドキしたりしないのに、今日はなんだかすごく落ち着かない。


いつもみたいに軽く交わして逃げたいのに、真剣な久間君を見てたら何も言えなくなってしまった。



変だよ、あたし。


どうせ、いつもみたいにからかってるだけなのに。


本気にするだけムダ。


流されちゃいけない。



「俺、マジでお前のこと……」



『間も無く電車が到着します。黄色い線の内側でお待ち下さいーー』



その時、タイミング良くホームにアナウンスが流れた。



「あ、で、電車来たね!休みの日だから混んでるかもね〜!」



久間君の声に気付かないフリをして、ムリに笑って誤魔化した。


もう、聞きたくない。


どうせ……からかってるだけなんだから。


< 113 / 250 >

この作品をシェア

pagetop