俺、お前に惚れてんだけど。
教室に戻ると、派手な男子の輪の中心で久間君が笑っていた。
飛び抜けて目立っているせいか、すぐに目につく。
茶髪の髪が風になびいて揺れていた。
あたしに気付くとニッと笑って立ち上がり、こっちにやって来る。
なぜかその行動に胸が高鳴って、視線をキョロキョロ彷徨わせた。
落ち着かなくて、そわそわしちゃって。
「あ、あたしトイレ!」
思わず教室を飛び出していた。
な、なに動揺してんのっ?
あんなの、いつものことなのに。
前までなら、何とも思わなかったでしょ?
今日は特に変だ。
朝からずっとこんな調子で、目が合うだけで鼓動が飛び跳ねてるなんて。
落ち着かなくてそわそわして、くすぐったくて変な感じ。