俺、お前に惚れてんだけど。
「なんで逃げてんだよ?」
だけどそこには、不機嫌な顔をした久間君がいてドキンと大きく胸が高鳴る。
な、なんで女子トイレの前にいるの?
こんなところで待ち伏せされたら恥ずかしいじゃんっ!
だけど、ドキドキしていることがバレたくなくて冷静なフリをした。
「べ、別に……逃げてないよ?」
明らかに挙動不審なあたし。
こんなんじゃバレバレだ。
だけど、久間君は何も言わなかった。
「ん」
言わない代わりに、あたしに向かって何かを差し出したのだ。
「え?なに……?」
久間君の手には、大きな袋が握られている。
「やるよ」
どこか見覚えのあるその袋。
もしかして。
「うさニャンハウスの袋……?」
な、なんでこれをあたしに?