俺、お前に惚れてんだけど。


胸がキリキリ痛んで苦しい。


今まで避けて逃げ続けてしまったことを、今初めて心から後悔した。


大変な思いをしている久間君がかわいそうだから優しくしてあげたいとかじゃなくて、久間君の妖しい笑顔の裏は悲しさでいっぱいだったんじゃないかって。


ムリして笑ってる時もあったんじゃないかって思うと、それを煩わしい気持ちで見ていた自分が情けなかった。



「志帆には言うなって言われたから内緒な。晴斗は、本当に良い奴だよ」



「……うん」



わかってる。


< 147 / 250 >

この作品をシェア

pagetop