俺、お前に惚れてんだけど。


ずっと思ってたけど、よく人前でそんな恥ずかしいことが言えるよね。


独占欲丸出しで、まるで子どもみたいじゃん。



いや、知ってたけど。


前は嫌で嫌でたまらなかったのに、なんで今はドキドキしちゃってるんだろう。


こんな風に言われて、嫌だと思ってるあたしはどこにもいなかった。



「志帆?」



うつむくあたしに、優しい声が降って来る。


久間君は強引だけど、いつだってあたしには優しかった。



恐る恐る顔を上げると、久間君はあたしに向かって優しく微笑んでくれていて。



一瞬で顔が真っ赤になる。



「お、おはよう!あたし……トイレ行って来るね!」



真っ赤なのがバレたくなくて、立ち上がって教室を出た。



おかしい。


おかしいよ。


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