俺、お前に惚れてんだけど。
「好きなんでしょ?なんでそんなこと言ったの?あたしには志帆が理解出来ないな」
「だ、だって……」
自信を持って飛び込めなかったんだもん。
怖いんだもん。
勇気がないんだもん。
「久間君がかわいそう」
「里緒は久間君の味方なの?」
「味方っていうか、なんか報われなくてかわいそうだなって。ついつい応援してあげたくなっちゃう」
そう言って、里緒はお弁当箱の中からデザートのりんごをフォークに刺した。
応援、か。
前もそんなことを言ってたよね。
「久間君モテるし、志帆に振られたから他に目を向けちゃうかもね」
「えっ?」
「他の子と付き合うことになっても、志帆は文句言えない立場なんだからね」
「…………」
それはやだ。
久間君と他の子が付き合うなんて。